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成人型重症アトピー治療の漢方薬相談記録


重症アトピーの漢方薬相談販売43年の経験豊富なヒゲ薬剤師の日々の記録です。実際に村田漢方堂薬局の漢方薬に賭けてみようと思われる方は成人型重症アトピー性皮膚炎が治る漢方相談の実際を必ずお読み頂き、真に決心がついた上でご来局下さい。

2013年11月23日

保湿力抜群の八仙丸(麦味地黄丸)の大きな問題点

2007年11月11日のボクチン(3歳)
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

 熱性炎症が激しい時期に、たとえ乾燥が激しくとも、八仙丸(麦味地黄丸)を使用するには時期尚早のときがあるので注意が必要だが、炎症が一定レベル治まって、乾燥による搔痒が問題となる時点で、八仙丸(麦味地黄丸)を使用すると保湿力抜群の効果を発揮する。

 ところが、ここで問題となるのは、一部の人では確かに保湿されて肌がしっとりしてくるのだが、それに相反して意外にも新たな発疹などが出現して却って痒みが増す場合である。

 もちろん問題なく優れた保湿効果と相俟って、肺腎陰虚に適応する方剤だけあって、気管支系統に問題があった人でも一石二鳥の効果を上げて大いに喜ばれることも多い。

 しかしながら、上述のように保湿はできても、また合併する呼吸器系統にも優れた効果を発揮してさえも、却って痒みが誘発されてしまうケースはそれほど珍しくない。

 この場合には残念ながら一時、八仙丸(麦味地黄丸)を中止せざるを得ない。

 過去、某氏の書かれた書籍には、漢方薬を服用後に悪化したように見えるのは、それは好転反応だから毒が出尽くすまで八仙丸(麦味地黄丸)を主体に消風散などと連用すべきだと患者さんを励まし、延々と続けさせ、さらに悪化の度を増して浸出液は出るは、高熱を発するは、大変な増悪と軽減を繰り返して二年近く、地獄の苦しみを味あわせた後に、ようやくアトピーがしっかり寛解したという実例を自慢げに詳細に記載された記事を読んだことがあるが、こんな残酷な治し方があってはならないと思う。

 年余の果てに結果的には寛解しているものの、もしも結果が伴はなかった場合は悲劇である。
 それゆえ、上記のように保湿が出来ても却って痒みが増したり、発疹が出てくる場合は即刻中止して、他の適切な方剤、たとえばやや保湿力が弱くとも、六味丸などに切り替えるべきである。

 ところで、八仙丸(麦味地黄丸)の成分中、問題となるのはおそらく五味子であろう。
 この五味子というのは肝機能検査の数値を改善する効果もあるので、慢性肝炎などに使用する中医学派もいるくらいだが、敏感なアトピー体質の人にはやや鬼門のところがあって、おそらく五味子が災いするアトピーの人が一部にみられるので要注意なのである。

 無難なところでは、八仙丸(麦味地黄丸)=六味丸+麦門冬・五味子のところを、六味丸+麦門冬の配合にとどめて置けば、かなり理想的な保湿によって、五味子による弊害を防ぐことが可能となるように思われる。

 いずれにせよ、中医学派ではしばしば利用される八仙丸(麦味地黄丸)ではあるが、不運にも上述のように保湿は出来ても却って痒みが増したり、発疹が出て来るような場合は、滅多なことでは好転反応と甘く見ず、早めに中止して他の方剤(六味丸や六味丸+麦門冬など)に切り替えるべきである。

 蛇足ながら、もしもそれが好転反応だった場合は、一例だけ経験したことがあるが、服用後数日で保湿はされても発疹がやや出てきたものの、服用後5日以内にそれもおさまってしっくりと保湿力だけを発揮し、慢性気管支炎にも良好な効果が得られている。

 つまり、稀に生じる好転反応であった場合は、多くは5日以内、長くても10日以内に好転するものであるから、いつまでも悪化の兆候が続く場合は、早めに中止して、他の方剤を考えることが最も無難であろう。

2007年11月11日のボクチン(3歳)
2007年11月11日のボクチン(3歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 08:52| 山口 ☀| 保湿を期待できる漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月12日

保湿効果のある六味丸と八仙丸(麦味地黄丸)の効果と問題点

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DSC_0883 posted by (C)ボクチンの母

 肝腎陰虚が認められるアトピー性皮膚炎に対する保湿剤は、六味丸や杞菊地黄丸が適応するが、肺腎陰虚が確認できる場合には六味丸よりも、これに麦門冬と五味子の加わった八仙丸(麦味地黄丸)の方がはるかに保湿作用を発揮する。

 アトピー性皮膚炎の表面的な病位は脾肺であるから、アトピー性皮膚炎において皮膚の乾燥が強い場合は多かれ少なかれ肺陰虚をともなうと考えて間違いない。
 それゆえ腎陰虚の兆候があれば、肺腎陰虚に適応する八仙丸(麦味地黄丸)は六味丸以上に重宝してしかるべきであるが、現実にはそうも行かない場合がある。

 六味丸では保湿効果がやや乏しい場合に、八仙丸に切りかえると、ほとんど全員が保湿効果が一気に向上すると断言しても間違いない。
 しかしながら、一部の人では六味丸では問題なかったのに八仙丸では保湿効果が強まるものの、明らかに痒みが強くなって継続服用できなくなる場合がある。

 おそらくクセのある五味子が悪影響を及ぼすケースがあるので、六味丸に戻さざるを得ないケースが散見される。
 但し、六味丸で保湿効果がもう一つ弱い場合に、失敗覚悟で八仙丸(麦味地黄丸)に切りかえてテストしてもらうと、その8割近くの人が大丈夫なから、残り2割近くの人が不適で、六味丸に戻さざるを得なかった。

 このようにアトピー性皮膚炎は僅かなことで適不適が生じるので、同じ皮膚疾患でも尋常性乾癬などよりもお互いに遥かに神経を消耗させられる現実がある。

DSC_0879
DSC_0879 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 23:04| 山口 ☁| 保湿を期待できる漢方薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする